凧は空に浮かぶ手作りのオブジェ。自然が引く凧糸の感触。手の届かないところで織り成す微妙なバランス。凧作りの奥深さは人を惹きつけるものがあります。

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凧が揚がる原理 安定性−安定のための工夫 その2

前記事で、凧が安定して揚がるための工夫をいくつか説明してきましたが、今回は、その続きです。

(4)形

凧には揚がりやすい形と揚がりにくい形があります。

平面的に見た場合、長方形の凧だと、普通は縦に長い長方形になっています。これが横長の長方形になると、安定を保ちにくく、それを揚げるためにはいろいろな工夫が施されています。

一般的に縦長の凧の方が安定しやすく、横長の凧は揚力を得やすい反面、安定を保つのが難しくなります。

しかし、鳥の形をした凧や三角形の洋凧のように横の長さが長い凧もありますが、それらのほとんどはうまく風を逃がすしバランスをとる工夫がされています。

これから、凧の形と安定の原理の関係を説明しますが、ここで言う形というのは平面的な凧の形ではなく、立体的に見た凧の形についてお話しします。

例えば、前項の角凧の場合は、図18のように、一番上の横骨は糸で反らせていますが、真ん中の横骨は風を受けると上の横骨よりも深く曲がるようになります。

そして、中心の縦骨も斜めの骨も少し曲がり、凧の表面が曲面になります。

凧を立体的に捉えて、このような形になることで、風を逃がし、安定を保つことができるのです。

凧によっては、中心の骨を曲げておいたり、横骨に糸を張って反らせたりして、風が逃げる形を初めから作っている物もあります。

前項の骨組みの構造も、この風を受けたときに安定を保てる(風をうまく逃がせる)形をどう作っていくかということにつながっています。

さらに、もう一つ、六角凧を例に挙げてみます。

凧の原理19
六角凧の骨組みは図19(a)のようになっています。

中心の骨はしっかりした骨になっています。これが曲がってしまうと、極端に揚力が失われるからです。

2本の横骨は、糸を張って反らせますが、下の骨の方を深く反らせた形にします。

さらに、風を受けたときには上の横骨の方が強く風圧がかかるので、上の横骨が下の横骨よりも強くしていることで安定します。

そして、風を受けたときは図19(b)のように、風が上下左右にうまく流れるような形にします。

六角凧は風を受けたとき、上の横骨が下の横骨よりも深く曲がってしまうと、下の方に風が溜まり、凧に働く力の中心が大きく下に下がります。(図20)

それにより、バランスが崩れ、凧が回ってしまいます。

不安定な六角凧の変形
そのため、風の強さが変わっても、風が押す力の中心の位置があまり変わらないように、上の横骨の反りよりも下の横骨の反りが深くなるような構造にしています。

このように、凧の形は平面的に安定しやすい形ではなく、立体的に見て、うまく風を流し、安定を保つことのできる形を作っています。




(5)糸目を付ける位置

糸目というのは、凧に付けた数本の糸のことで、これによりバランスをとっています。

凧の糸目
まずここでは、六角凧の例で、糸目の位置についてお話しします。

六角凧は上の横骨よりも下の横骨の方が深く曲がるように形作ることで安定が増すのですが、糸目を付ける位置も、この形作りに貢献しています。

図22のように、六角凧には横骨に4本の糸目を付けますが、上の横骨に付ける位置と下の横骨に付ける位置は違っています。

六角凧の糸目
図のように下の横骨の方が糸目の間隔が短くなっています。

これも、風を受けたときに、下の横骨の方を曲がりやすくするために一役買っています。

凧は風を受けて支えるべき所は支え、風を逃がすべき所は逃がせるような構造になっています。

糸目を付ける位置は、この構造を作るためにも重要なポイントとなっているのです。

形が変わらないように、ガチガチに固めるために糸目を付けるのではなく、安定を保てるように変形できる位置に付けると言った方がいいでしょう。

また、糸目は風によって凧に働く力のバランスをとって、安定させるための物です。

よく凧の絵として、下の図23のような糸目の付いた凧を見かけますが、このように、四隅に糸を付けたのでは凧は揚がりません。

間違った糸目
角凧の糸目は骨組みや大きさによっていろいろな付け方がありますが、よくあるのが下の図24のようなパターンです。

角田凧の糸目
今度は「風を逃がす」という観点ではなく、凧が風を受けて働く力を「どう支えるか」という観点で見てみます。

2本の糸目
図25(a)はモデル的に凧を横から見た図で、2本の糸目で凧を支えています。

風によって、凧の表面を押す力の分布を考えると、図25(b)のように、曲がった棒を2本の糸で吊しているのと同じ状態です。そして、この曲がり方が風の強さによって変わっていくと考えます。

糸目の付け方とバランス
図26(a)のように両端で吊すと、曲がった棒はひっくり返ってしまいます。

しかし、図25(b)のように支えると揺らしてもひっくり返ることはありません。

また、図26(b)のように、曲がり方が多少変わっても大丈夫です。

このように、凧に付ける糸目は、変化する風の力を柔軟に支えられるように工夫して付けられています。

さらに、ここで説明した糸目は、一般的な凧の糸目による安定の原理です。凧によっては、長い糸目を付けてしっぽの役割を果たすものもあります。

また、すべての糸目がたるまないように均等に支えるように付けるのでなく、場所によっては少し長くして、たるんだ状態にしておき、風が当たると効き出すような糸目を付ける場合もあります。

これらのいろいろな役割を果たす糸目も、その役割に応じて付ける位置も考えられています。


ここまで、安定して揚げるための工夫をいくつか揚げてきました。これらの工夫は、多くある中の代表的なものです。

凧は多くの種類がありますが、それぞれの凧にはそれぞれの安定して揚げるための工夫があるのです。

凧作りの名人達は、それぞれの凧に応じて豊富な知識と経験を生かし、作る上で細かな工夫を施しています。この章では、安定の原理とともに、先人達の知恵の一端を感じていただければ幸いです。

つづく
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