凧は空に浮かぶ手作りのオブジェ。自然が引く凧糸の感触。手の届かないところで織り成す微妙なバランス。凧作りの奥深さは人を惹きつけるものがあります。

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凧に付けるしっぽについて

これまで、凧自体がバランスを保つためのからくりや原理を説明してきましたが、ここでは凧に付けるしっぽについて、説明を加えておきます。

凧のしっぽは、その重さによって凧を安定させるのではありません。

凧のしっぽ
図29のように、しっぽは風になびいて、凧の表面に沿って引っ張る力が働きます。

この、凧の面に沿った力によって凧が回ってしまうのを防ぐことができます。

しかし、しっぽの代わりに、糸で重りを吊しても、十分に凧を安定させることはできません。

凧のしっぽの原理
図30の(a)のように、棒を一点で支えて、一方を引っ張っていると、支点を中心に回転することを防いでくれます。

しかし、(b)のように、棒の一端に重りを吊すのでは、簡単に支点を中心に回転させることができます。

このように、凧のしっぽは、凧の面に沿って、引っ張ることで安定を保つことができるのです。

そうなれば、凧のしっぽは、図29のように風になびき、風が当たって凧の面と同じ方向に伸びていくような素材の物でなければなりません。

新聞紙のような紙を細長く切ってしっぽにすることがあります。紙のような軽い物でも凧を安定させることができるのは、風を受けて凧を引っ張り、安定させてくれるからです。しっぽの重さ(重量)で安定させているわけではありません。

さらに言えば、風になびく軽さがあるからこそ、しっぽの役割を果たしているのです。

しっぽを付けることは、凧を安定させる簡単な方法であり、その効果も大きいものです。

そのため、多くの凧はしっぽを付けて揚げています。

しっぽの種類も筒状の吹き流しのようなものや風を受けて回転するものなど、その形状や素材も様々なものがあります。

さらには、しっぽにもデザインを施し、しっぽを含めて一つのオブジェとしている凧もあり、機能性だけでなくデザイン性を高めることにもなっているようです。
 
コメント
ご回答ありがとうございます。
有益な情報をありがとうございます。

糸目の長さを変えたり
尾の長さや重さを変えたり
いろいろ試してみたいと思います。

追伸

以前は自作の浜松凧の尾を
荒縄を使用していましたが、
先日、細い麻糸にしてみたところ
安定して揚がりました。
その後、毛糸も試してみたところ
毛糸でも安定して揚がりました。

凧ってやればやるほど奥深くて
飽きないですね。
面白いです。

これからもいろいろ参考にさせていただきます。

ありがとうございました。
今後とも宜しくお願い致します。
  • あきら
  • 2014/05/21 11:55 PM
お返しするのが遅くなって申し訳ございません。

糸目が下にたるんでいるのは、浜松凧だけではありません。
しっぽを付けなくても、糸目が長くなると下の方はたるんできます。

糸目がたるむほどだと、糸目自体がしっぽのように、安定を保つ役目を果たしています。

答えになったかどうかわかりませんが、さらにご質問がございましたら、右サイドバーの上部の「お問い合わせ」からメールして下さい。よろしくお願いいたします。
  • takoaki
  • 2014/05/21 5:16 PM
初めまして。

初めてコメントします。

質問なのですが、
浜松凧はご存じでしょうか?

浜松凧の尾は荒縄をつかっています。
糸目の下の方は尻尾の重みでたるんでいます。

浜松凧は“特殊”なものだと
考えればよいのでしょうか?

もしよろしければご教示
お願いします。
  • あきら
  • 2014/05/12 10:31 PM
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