羽振風弾(はびるふうたん)または胡蝶風弾とも書くようです。
沖縄で大きな凧を揚げたときに付けるものです。
揚げ糸に沿って、上がっていき糸目の所(または、ストッパーを付けた所)まで行くと、羽根を閉じて降りてきます。
このような仕掛けは、沖縄に限らず、多くの愛好家の方が作っておられます。また、海外でも見かけます。
風弾の図面です。上の写真の風弾の図面ではなく、広井先生の「凧ー空の造形」に掲載されたものに加筆しました。
凧の揚げ糸を風弾に通したときは、上の右図でいえば、右側に凧がくるようになります。
つまり、風弾は風を受けて左から右に揚がっていくようになります。
羽根が閉じる原理は、
右図の右側の螺旋(らせん)が糸目の結び目(ストッパー)にぶつかると、螺旋の付いた棒はそこで止まります。しかし、羽根の付いた本体全体は風の力でさらに上(図の右)に進みます。そこで、手前(図の左)に付いている弓なりの竹がはずれ、羽根を引っぱっていた糸がはずれます。それで、羽根がたたまれて、すべり落ちていくというものです。
なかなか粋な細工物ではないでしょうか。
私もいくつか作ったことがありますが、単純な仕掛けだけに、ちょっとした工夫で上手く閉じてくれるようになります。
またバランスよくつくらないと、蝶が真っ直ぐに上を向かなくなり、揚がり降りがスムーズに行かないときがあります。
図面の風弾は、羽根の取り付け位置が、写真の物より上になっています。写真の風弾のように少し重心を下げる方が安定がいいようです。
凧は、ただ揚げるだけでなく、うなりを付けて音を出したり、風弾を付けたりと、いろいろなものでさらに楽しみを付け加えることができます。
また、凧の揚げ糸に付けて楽しむ物は、まだまだたくさんあります。
それは、またの機会ということにさせていただきます。